個人再生
個人再生とは?
裁判所手続きによって、債務が大幅に減額される債務整理手段です。
減額される割合は、おおむね80%です。
たとえば、1000万円の借金がある場合に個人再生を行えば、200万円くらいの借金になるということです。
残った借金は、原則3年・最長5年の分割払いで返済していく形になります。
支払計画については、債権者の過半数の合意が必要になります。
個人再生が適している方
- 住宅ローンが残っていて、その住宅を保持し続けたい方
自己破産とは違い、原則として、住宅などの財産を手放さずに済みます。
個人再生のメリット・デメリット
メリット
- 取立が止まります。
- 返済金額がおおむね80%減ります。
- 住宅や車などの大きな財産を手放さずに債務整理ができます。
- 任意整理と違い、交渉ではありませんので、個人再生手続きを淡々と進められます。
デメリット
- いわゆるブラックリストに載るため、その先5年程度は新たに消費者金融から借金できなかったり(ヤミ金なら貸してくれますが‥)、クレジットカードやローンが利用できなかったりします。
- 減額された借金を返済していくための継続的な収入が必要です。
- 他の債務整理手続きと比較して、手続きが煩雑であるため、弁護士に支払う報酬が高い場合が多いです。
- 住所・氏名が「官報」という国が発行する機関紙に掲載されてしまいます(一般人が見るようなものではありませんので、家族や知り合いにバレる可能性は低いです)。
個人再生の流れ
1 初回相談(無料)
あなたの場合どうしたらいいのか、まずは弁護士等に相談しましょう。
【相談時の持ち物】
・債権者のリスト
・取引履歴がわかるもの
・債権者(担当者)の名刺
・その他、相談内容に関係するもの
初回相談が終われば、依頼者は当分は連絡待ちの状態になります。
※ 債権者に個人再生を行うことを伝えておく必要は全くありません
2【弁護士等の業務】受任通知発送・取引履歴の開示要求
依頼した弁護士法人・法律事務所より、債権者各社に「受任通知」という書面を送ります。
受任通知とは、依頼者の借金問題について弁護士等が介入したことを伝える書面です。
通常、受任通知は依頼したその日に発送されます。
宛名だけ変えればいいだけの定型書面ですので、すぐに発送できます。
これとあわせて、これまでの取引履歴の開示を要求します。
債務がいくらあるのかの調査をするためです。
3 取立停止
債権者の担当者が受任通知を受け取ったときから、取立が止まります。
上記のとおり受任通知はすぐに発送できますので、取立が止まるまでの期間は、依頼から1週間くらいで見ておかれるのがちょうどいいです。
4【弁護士等の業務・依頼者の動き】申立書類の準備
弁護士法人・法律事務所にて収集・作成可能な書面は事務所側で準備し、それ以外は依頼者が書面を準備します。
依頼者が準備する書面に関して不明な点は、通常は事務職員がサポートしてくれます。
5【弁護士等の業務】個人再生申立て
弁護士等が依頼者に代わって、管轄の裁判所に対し、個人再生の申立てを行います。
6【弁護士等の業務・依頼者の動き】個人再生委員面接
個人再生委員(個人再生手続きが適正に行われるよう監督する人・通常は弁護士)の事務所において、再生委員面接が行われます。
弁護士等だけではできませんので、本人も同行することになります。
7 再生手続開始決定
裁判所は個人再生委員から意見を聞き、問題ない場合には、再生手続開始決定を出します。
8【弁護士等の業務】再生計画案等の提出
再生計画案や家計収支表などを裁判所に提出します。
9 再生計画認可決定・確定
再生計画案の認可が決定し、それが確定すると、個人再生手続きは完了です。
10 減額された借金の返済開始 → 解決!
再生計画案どおりの返済を開始します。
通常、3年程度の返済期間で完済になるようなプランです。
計画どおりに返済し終えたら、無事に解決です。
個人再生の費用
現在では、弁護士費用は自由化されており、各弁護士法人・法律事務所によって、料金体系が大幅に異なります。
詳しくは、債務整理の専門家一覧のページをご覧ください。
弁護士費用
私が在籍していた弁護士法人の場合、住宅ローンがある場合は50万円+消費税、住宅ローンがない場合40万円+消費税でした。
実費
- 裁判所費用はおおむね30万円あれば足ります
- 弁護士等に裁判所に行ってもらった時の交通費などの実費
個人再生が可能な弁護士法人・法律事務所一覧
上記のとおり、複雑な手続きですので、ご自身で個人再生を行うのは、ほぼ無理です。
そこで、個人再生で代表的な弁護士法人・法律事務所をご紹介します。