任意整理
任意整理とは?
裁判所を通さず、債権者との交渉にて解決を図る債務整理手段です。
通常、弁護士や司法書士(以下「弁護士等」といいます)に依頼して、任意整理を行います。
依頼を受けた弁護士等は、債権者と交渉を進めて、返済額を減額してもらいます。
返済金額が債権者と合意できたら、3年から程度の計画で返済していきます。
任意整理の場合、ご自身で行うには難易度が高すぎます。
債権者によって方針に個性がありますので、その債権者ごとに対応を合わせる必要があり、これにはノウハウがあります。
ですので、必ず日常的に任意整理を行っている弁護士等に依頼してください。
借金減額の仕組み
金利を見直して計算し直します(引き直し計算といいます)。
これにより、利息として支払うべきお金が減額になるため、借金額も減ることになります。
ただし、減るのは利息だけであり、元本は減りません。
どれだけ減額できるか?
取引履歴が長ければ長いほど、減額できる金額が大きくなる傾向があります。
逆に、取引履歴が短いと、減額できる幅が小さく、費用に見合わない可能性もあります。
そのあたりの計算は、弁護士等に相談すれば、だいたい判明します。
任意整理が適している方
- 継続的な収入がある方
減額になるといえども、毎月返済していくことには変わりないため、継続的な収入は必要です。 - 数年以上の取引履歴がある方
引き直し計算で減額が見込める場合に効果的です。 - 借金額が比較的少額な場合
どうやっても返済できないような大きな金額であれば自己破産がおすすめです。 - 絶対に破産だけはしたくない方
ただしそれが叶うかどうかは、弁護士等に相談して、考えてください。
任意整理のメリット・デメリット
メリット
- 取立が止まります。
- 返済金額が減額になります。
- 支払いが猶予されます。
- 自己破産とは違い、自分の財産を換価する必要はありません(財産を守れます)。
デメリット
- 元本は減りませんので、自己破産や個人再生よりも減額幅は小さいです。
- いわゆるブラックリストに載るため、その先5年程度は新たに消費者金融から借金できなかったり(ヤミ金なら貸してくれますが‥)、クレジットカードやローンが利用できなかったりします。
- 減額された借金を返済していくための継続的な収入が必要です。
任意整理の流れ
1 初回相談(無料)
あなたの場合どうしたらいいのか、まずは弁護士等に相談しましょう。
【相談時の持ち物】
・債権者のリスト
・取引履歴がわかるもの
・債権者(担当者)の名刺
・その他、相談内容に関係するもの
初回相談が終われば、依頼者は当分は連絡待ちの状態になります。
特にやることはありません。
※ 債権者に任意整理を行うことを伝えておく必要は全くありません
2【弁護士等の業務】受任通知発送・取引履歴の開示要求
依頼した弁護士法人・法律事務所より、債権者各社に「受任通知」という書面を送ります。
受任通知とは、依頼者の借金問題について弁護士等が介入したことを伝える書面です。
通常、受任通知は依頼したその日に発送されます。
宛名だけ変えればいいだけの定型書面ですので、すぐに発送できます。
これとあわせて、これまでの取引履歴の開示を要求します。
債務がいくらあるのか、そして利息の引き直し計算をするための調査が目的です。
3 取立停止
債権者の担当者が受任通知を受け取ったときから、取立が止まります。
上記のとおり受任通知はすぐに発送できますので、取立が止まるまでの期間は、依頼から1週間くらいで見ておかれるのがちょうどいいです。
4【弁護士等の業務】交渉
依頼した弁護士法人・法律事務所と、債権者各社が、依頼者の借金問題について交渉をします。
通常は書面のやり取りで交渉を行いますが、状況次第で電話で話すこともあります。
交渉に要する期間は、債権者次第で大幅に変わります。
たとえば、弁護士法人・法律事務所としては、上記しましたが、債権者に対して取引履歴の開示を要求します。
このとき、なかなか取引履歴を出してこなかったり、出してきたけど取引履歴の一部しか出してこないなどの対応をされることがあります。
交渉事なので強制力はなく、そのようなことも仕方ない面はあるのですが、債権者次第で交渉期間は大きく変わってくることはご承知おきください。
5 返済額・返済期間決定
交渉の結果、返済額や返済期間が決まったら、弁護士法人・法律事務所から依頼者に連絡が入ります。
もちろん、交渉結果に納得がいかなければ、また弁護士等に相談しても大丈夫です。
6 減額された借金の返済開始 → 解決!
交渉で決まった金額・返済期間にて返済を開始します。
通常、3年程度の返済期間で完済になるようなプランを作ります。
計画通りに返済し終えたら、無事に解決です。
任意整理の費用
現在では、弁護士費用は自由化されており、各弁護士法人・法律事務所によって、料金体系が大幅に異なります。
詳しくは、債務整理の専門家一覧のページをご覧ください。
弁護士費用
私が在籍していた弁護士法人の場合、以下のとおりでした。
着手金
着手金とは、任意整理の業務に着手してもらうことに対する料金です。
1社あたり2万円+消費税でした。
成功報酬
成功報酬とは、債権者と和解できたことに対する報酬です。
1社あたり2万円+消費税でした。
無事にいけば1社あたり4万円+消費税
着手金と成功報酬は両方必要です。
そのため、1社あたり「着手金2万円+成功報酬2万円=4万円+消費税」という計算でした。
実費
受任通知や交渉書面の郵送料をいただいていました。
発送先の債権者が多ければ多いほど、郵送料が必要になりますが、それでも郵送料ですので、大した金額ではありません。
任意整理が可能な弁護士法人・法律事務所一覧
上記のとおり、ご自身で任意整理を行うのは、ほぼ無理です。
そこで、任意整理で代表的な弁護士法人・法律事務所をご紹介します。